今作の主人公は32歳のOL・吉野みち(よしの・みち/奈緒)。建設会社の営業課で働き、平凡ですが不自由ない生活を送っています。夫・吉野陽一(よしの・よういち、37歳/永山瑛太)とは結婚5年目の今でも仲は良いのですが、ただひとつ、セックスだけが足りていませんでした。気がつけばレス歴2年。毎晩同じベッドで寝ているのに陽一は決してみちに触れようとしないのです。「女としての魅力が足りないのかもしれない」と、後輩のアドバイスもあって、みちは派手な下着を購入してみたり、スキンケアしたりと努力を重ねるのですが、いつも期待外れの結果に終わってしまいます。約束してもすっぽかされ、夫の愛を感じられずに過ごす日々。 「このまま女として終わるのかなぁ」と漠然とした不安を抱えているうちに、夫婦の関係は少しずつこじれていきます。 一方の陽一はカフェで雇われ店長をしていて、コーヒーには強いこだわりを持っています。人付き合いが苦手で接客には向かず、お店はあまり繁盛していません。人との関わりを避けて生きる陽一にとって、みちは唯一全く気を遣わずに一緒に居られる存在。自分のダメな部分も含めて優しく受け入れてくれる彼女のことをもちろん愛しているのですが、いざその場面になるとプレッシャーに感じてしまい、いつも適当にはぐらかして逃げてしまうのです。 陽一はセックスレスでもいい夫婦関係を築けていると信じていて、「性格もぴったり、仲も良い、一緒にいて楽しい。それって十分夫婦として成り立っていると思うんだよ」とみちに思いを打ち明けるのですが・・・。